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【食品工場長向けコラム】 ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

2022/2/1 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜」と題して、感染症や異物混入対策にICカードを利用した施錠管理を行うことの重要性などお話します。

施錠管理を行っているか

あなたの工場は、従業員の出勤時の入り口の施錠管理を行っていますか。私が見てきた工場の中には全く施錠管理がされておらず、自由に事務所、食堂まで出入りできる工場が半数以上ありました。自由に出入りできると言うことは、感染症対策、異物混入対策上において全く無防備になります。

従業員出入り口を、ダイヤル設定の施錠管理で行っているところもありますが、感染症対策上、共通で手の触れるところは極力少なくするべきです。

従業員用駐車場のゲートや従業員用玄関の施錠管理は、Suicaの様なFeliCaカード、ICカードを用いる事が有用です。ICカードであれば、SuicaやiPhoneなども利用でき、定期券などと共有することができ、従業員の出勤時の荷物も減らすことができます。

異物混入防止、作業性の確認

異物混入の外部クレームが発生したときに、クレーム品のロット番号から作業していた方が直ぐに明確になりますか。

最終商品のロット番号から包装工程などの時間が判明し、帳票から作業者をたどる事になると思います。ICカードを包装機ごとにスキャンして作業することで、誰が、何時、作業していたか明確になります。生産性の把握や作業の質の管理が容易になり、作業者の意識も上がることになります。

悪意を持った方の異物混入防止のためには、担当作業者以外の方が、持ち場以外の作業場に入場出来ないようにすることが重要です。農薬を混入した事件でも、「あの人は、よく他のラインでふらふらしていたよ」と内部の声が聞こえてきました。

悪意を持った方が悪さをしようとしても、出来ない仕組みがあれば、農薬混入事件は発生しなかったと考えます。「私の工場の従業員を疑うような事は言わないで欲しい」とこの話をするたびに私は言われてきました。

しかし、なぜスーパーのレジができたか、なぜ監視カメラがレジの上に付いているのか、レジのお金が合わないと、なぜ始末書を出すのか考えて見てください。どの仕組みも、目の前のお金をレジ担当の方がポケットに入れないために考えられた仕組みです。

さらに、お客様が自分で操作するセルフレジ、キャッシュレスレジ、電子マネーの仕組みは、レジ担当者の悪さをなくすために考えられた仕組みです。容易に農薬を入れる事のできた従業員を出してしまった工場の仕組みを反省すべきです。

農薬だけでなく、あなたの工場でしか使用しない部品を混入させる事件などは、よく海外の工場で聞きます。あなたの工場の部品庫は施錠管理されていますか、あなたの工場の薬品庫は施錠管理されていますか。部品庫、薬品庫は、担当者以外は解錠出来ない仕組みが必要です。

一般的に行われている鍵の管理であれば、鍵さえあれば誰でも解錠が出来てしまいます。一般的な鍵よりICカードが有用なのは、解錠、施錠の記録が残り、誰が解錠したかまで記録が残ります。

ICカードはポケットなどに入れるのではなく、作業帽の前や上着の上腕部に差し込む事で、工場内では手に触れることなく使用することが出来ます。
作業場のドアの解錠には、ICカードがなければ解錠出来ない仕組みを取り入れることで、多くの悪意を持った異物混入を防ぐ事が出来ます。

衛生区分も、衛生区の担当者、汚染区の担当者をICカードで区分することで、従業員の出入りを管理することができます。

異物混入対策チェックリスト

項目 内容
1.従業員出入り口 手を触れることなく、解錠できるか
2.作業場の出入り 全員が退場したことを確認できるか
3.災害時の管理 停電した場合の全員の安否確認が出来るか
4.商品のロット管理 誰が作業したか明確になっているか
5.部品庫の管理 担当者以外解錠出来ないか、誰が解錠、施錠したかリストがあるか
6.薬品庫の管理 担当者以外解錠出来ないか、誰が解錠、施錠したかリストがあるか
7.作業場の管理 持ち場以外の作業場には入れないようになっているか

食品工場長向けコラムの記事一覧

不審者対策ができているか 〜大阪放火事件から学ぶこと〜

・ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

帳票の管理について、クレーム発生時にすぐに確認ができるか

現場で手書きの表示は行わない

帳票は毎日印刷すること

トレースバックできる仕組み作り

地域からの苦情の受付について

個人情報の取り扱いについて

危機管理センターの備えておくべき電気設備

危機管理センターの備えておくべき通信設備

危機管理センターという考え方

虫対策の必要性

殺菌の必要な設備の設計

こんな新設備の提案がほしい

ネット上の情報を確認していますか

ミス失敗の図書館が必要

安全衛生点検の必要性 〜転倒事故を防ぐために〜

コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

AI等の設備投資

食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ

天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと

通勤時の荷物について

清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか

従業員満足を考えていますか

地域の方からいい会社と言われるために

生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を

バイトテロを防ぐ従業員教育

残業の管理をどうすべきか

有給取得率を把握していますか

食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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