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【食品工場長向けコラム】 AI等の設備投資

2020/6/12 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「AI等の設備投資」と題して、製造現場の作業効率を高めるための設備投資の重要性やAI(人工知能)の利用についてまとめました。

目次

  • 本当に人手が必要か
  • 食品の作り方が進歩しているか

本当に人手が必要か

みなさんの工場に、海外から来られている研修生の方は、何人所属していますか。

海外からの渡航費、研修費、寮費などの経費をすべて足して、研修生に支払っている金額を足して、働いている時間で割ると時給は幾らになりますか。最低賃金よりも高くなっていませんか。

「そんなこと言ったって工場で働いてくれる従業員が集まらないからしかた無いよ」と言われるかもしれません。

一つの例でお話しします。文章を書き印刷し配付するためには、昭和の時代は、紙に書いていました。紙に書いた原稿を、写植などで活字を拾い印刷していました。

ワープロが発明され、その後、パソコンになり、文章の校正、誤字なども自動で直してくれる時代になってきました。文章を打つためには、キーボードを使用し、キーボードをタッチタイピングで打てると早く文章を作成することができます。しかし、音声入力を行えば、更に早く文章を作成することができます。

私も、若い頃、会議資料を作成するときに、手書きで文章を書き、青焼きで配付資料を焼いていました。多量に配付する必要のある物は、ガリ版で印刷していたものです。

令和の時代は、パソコンで作成し、プリンターで印刷し、製本まで簡単にできる時代になってきています。配付文章を無くし、画面を見ながら打ち合わせを行う事で、文章を配付する事さえ必要がなくなってきています。昭和の時代の手間、工数と印刷に掛かっていた費用がすべて無くなり、人件費は、いい物を作ることについて、考える事に、すべて使うことができるようになりました。

給与計算の改善を考えても、打刻された紙のタイムカードから、手計算していた時代から、表計算ソフトで集計する時代、タイムカード自体で計算集計する時代になり、給与の支給方法も、現金支給から、銀行振り込みに変化し、給与明細も紙の配付を止め、WEB上で従業員自ら確認する時代になってきています。現金支給の時代から考えると、工数の改善は計り知れない数値になります。

食品の作り方が進歩しているか

会議の配付資料、給与計算の進化のように、製造現場の改善は進んでいますか。

エックス線探知機、印字判定機のようにクレームを防ぐための投資は行っていても、製造現場の作業性を上げる投資を行っていない工場は目につきます。

製造で使用している細かな備品、分解した設備を未だに手洗いしている工場もあります。

研修生と言う見かけは安い労働力に頼って、設備投資を考える事を止めていませんか。

数年後に廃業するのであれば、設備投資を行う必要はありません。しかし、10年後、30年後に工場を継続するのであれば、研修生よりも、設備投資を行うべきです。

食品工場で人手無ければできないと考えている工程に異物選別作業があります。

鶏卵の選別で血が黄身についている血卵選別工程があります。血卵、ひび卵は、人間の目で光を透過して選別していました。現在は、自動選別機で機械が選別しています。

人手で選別している工程でAI(人工知能)を利用して選別を考えてみませんか。人間が見て判断して選別することは、AIなら必ずできるはずです。しかもAIは、24時間365日働き続けてくれます。

毎年毎年、生産性を上げ続け、従業員満足を高めるための投資を行うことが、従業員の安定性を増すことにつながると思いませんか。

食品工場長向けコラムの記事一覧

不審者対策ができているか 〜大阪放火事件から学ぶこと〜

ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

帳票の管理について、クレーム発生時にすぐに確認ができるか

現場で手書きの表示は行わない

帳票は毎日印刷すること

トレースバックできる仕組み作り

地域からの苦情の受付について

個人情報の取り扱いについて

危機管理センターの備えておくべき電気設備

危機管理センターの備えておくべき通信設備

危機管理センターという考え方

虫対策の必要性

殺菌の必要な設備の設計

こんな新設備の提案がほしい

ネット上の情報を確認していますか

ミス失敗の図書館が必要

安全衛生点検の必要性 〜転倒事故を防ぐために〜

コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

・AI等の設備投資

食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ

天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと

通勤時の荷物について

清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか

従業員満足を考えていますか

地域の方からいい会社と言われるために

生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を

バイトテロを防ぐ従業員教育

残業の管理をどうすべきか

有給取得率を把握していますか

食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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