食品安全教育研究所 代表 |
1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。 【最新刊の案内】
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戦争を題材にしたドラマを見ていると、戦いの最中に銃が作動せずに弾を撃つことが出来ない場面が出てきます。銃の整備が悪いと、自分の命が亡くなってしまいます。そのために、戦いの間には銃を分解して磨き混んでいる場面が多く出てきます。
私たちの生活を考えても、自分の車を運転しているときと、会社の車を運転しているとき、レンタカーを運転している時は、車に対する優しさがちがってくると思います。
運転が終わって、車を洗うとき、整備する時の思い入れは運転をしているときよりももっと自分の車に対する想いが強いと思います。
工場で働く人たちが全て、工場は、自分の工場と思って働けるように教育を行う事が大切なのです。
私もハム工場に勤めていたときに、時間さえあれば、深絞り真空包装機を磨き込んでいました。特にフイルムを挟む爪の部分は、バネが折れやすかったので、折れているバネは交換を行って、包装作業中には、機械トラブルが起きないように自分でメンテナンスを行っていたのです。
ハムのスライサーも、作業が終わった時点で、砥石で刃を磨き込んでいたのです。24時間工場で一直、二直体制で設備を使う場合があると思います。
各直で起きた設備上の問題点を記録して置く事で設備の状態を保つことが出来ると思います。設備のトラブルが無ければ、あなたの工場の生産性は、どのくらい上がると思いますか。従業員一人一人のモチベーションが上がれば、必然的に生産性の向上が望めるのです。
いい仕事をしてほめられる事は非常にうれしいものです。子供のころは学校のテストでいい成績をとったり、運動会で活躍すると、仲間や親が褒めてくれました。
日本の社会では社会人になってしまうと、なかなか褒めてもらえないものです。社会人になって偉くなると、勲章がほしくなるのは、子供のころの花丸がほしいのと同じ感覚かもしれません。
私はアメリカの企業で仕事をしたことが有りますが、アメリカの企業は本当に人をほめる事を大切にします。
売り上げなどが目標を達成したとき、いい仕事をしたときは、全員で拍手をして人を褒め称えます。
いい仕事をしている方を見かけた時は、「ありがとうカード」を書いて掲示板に掲示します。
毎月のベスト従業員を掲示板に写真入りで掲示して褒め称えます。
人間は働くときに、お金だけで働くのでは無いと思います。
「人間はいい仕事をしたい」、「世の中の役に立ちたい」、「人から褒められたい」 と思って仕事をしているはずです。
クレームが発生したことで従業員、仲間を非難するのでは無く、いい仕事をしている人を褒め称えることがいい商品を造る事に繋がると私は思っています。
工場で働く従業員の方がすべて自分の工場、自分の機械と思って働く事で、クレームの芽を摘むことが出来るとおもいませんか。
スマホのゲームに『Pokemon GO』があります。最近は中高年の方が楽しんでいる姿を多く見かけます。ゲームを行う事で、ある課題をクリアすると、メダルがもらえ、点数が溜まると、評価され、レベルが上がります。そうすれば、ゲームに対する、やる気、モチベーションが保たれるかをよく考えられています。
従業員のやる気を常に、保つためには、どうすればいいかの参考になるゲームです。
・ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜
・食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ
・清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか
・生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を