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【食品工場長向けコラム】 コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

2020/9/16 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜」と題して、従業員がルール違反に気がついた時に内部告発しやすい企業文化やルールづくりの重要性についてまとめました。

目次

  • 内部告発の受け皿が必要
  • ホットラインの設置

内部告発の受け皿が必要

内部告発者のことを「ホイッスルブロアー」と、イギリス、アメリカでは呼ばれています。

直訳では、危険を察知して警笛を鳴らす人のことで、サッカーなどの審判をさします。イギリスやアメリカなどでは、自分が働いている企業や役所の違法な行為などを内部告発した人(ホイッスルブロアー)を保護する法律が制定されています。

サッカー、ラクビーなどのスポーツは一定のルールの中で勝負をします。そのルールに違反したときは審判が笛を吹き、競技を止めて、ルール違反をした人を処分します。

サッカーのイエローカード、レッドカードがこれに当たります。試合中の事だけでもなく、女子サッカーのアジア試合の中で、審判に対する不服で審判に蹴りを入れた選手にもレッドカードが出されています。

競技がスムーズに行えるために各競技団体はルールブックを毎年毎年改訂しています。私たちの工場で考えると、品質マネジメントシステムは毎年の法律、社会環境の基で改訂され、働く人たちに周知出来ている事が必要です。

笛を吹く人は品質管理部門などの特定の人ではなく、共に働いている人たち誰もが、ルール違反に気がついた時に、笛を吹ける環境を整備する必要があります。

笛を吹くタイミングは、ルール違反を見たその時に吹くのが本来の笛の吹き方です。

退職してから、「あの会社は実はこうだった」と笛を吹くのは、本来の笛の吹き方では無いのです。サッカーの試合で「あのときのゴールは、実はハンドなんだ」と、試合が成立してから話すようなものです。

初めのうちは笛を吹くタイミング、内容に誤りが有るかもしれません。それでも笛を吹いた勇気を褒め称えることが出来るかどうかが、品質を第一に考える企業文化を作り上げることになります。働いている従業員や、工場で働く人が、それぞれの自分の物、自分の工場と思うことが大切なのです。自分の工場と思った瞬間に、いまで隠していたことを、お客様に公表しないといけないと思うはずなのです。

ホットラインの設置

結果として「内部告発した方が閑散職に回された」という、運送業界の話しもあります。

内部告発をする方は、勇気を振り絞って内部告発をします。内部告発する人が、女性、元社員、退職者に多いのは、自分の身を守るため、長く働いていたい方には困難だからと思います。

笛を吹くのは、まずルール違反を見かけたその時に吹きます。笛を吹いてもだめなら自分の上司、違反をしている相手の上司に報告します。それでも直らない場合は、上司の上司に報告します。

それでも直らないときにどうしたらいいかのルールを設定し、従業員にルールを教育する必要があります。

工場内のルール違反を保健所などの公的機関に告発すると、工場、会社自体が処分され、結果として自分の働く場所が無くなってしまいます。理想的には、外部の民間機関に従業員のホットラインを設置し、従業員から告発が有ったときに民間機関が公正に事実関係を調査して工場の内部を改善できれば、告発者も含めて風通しのいい工場ができると思います。

あなたの工場は、笛を吹くための環境が整備されていますか。

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食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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