食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏
1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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2019年4月より、労働基準法が改正され、全ての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられました。
従業員から見ていい工場と言われるためには、有給休暇は、100%消化が本来の姿だと思います。有給休暇は一年間繰り越せます。怪我、病気などのために、発生してから一年間は、有休休暇を使わずに繰り越してから使用する方が多いと思います。消化率を計算するときに、従業員が使用せずに、流れてしまう有給数をゼロにする管理がお勧めです。
2019年4月以降、あなたの工場の従業員の方の流れてしまった有給数を把握していますか。
工場の責任者は、毎日の売り上げ、原材料の使用金額、人時生産性、クレーム、トラブル、等の責任者が興味ある数値を把握していると思います。
食品工場は、製品を楽しみに待っている方に継続して送り続ける必要があります。毎日毎日、自分の健康のために、大切な方の健康に食べていただくためには、工場が存続し続ける事が必要です。工場が存続するためには、利益を上げ続ける事が必要です。
利益を上げ続けるためには、毎日、数字を把握することが必要です。
今日現在の状況を数字で説明出来ることが責任者には求められます。
標準体重より重たい方が、健康のために体重を減らそうと決意したとします。
目標体重を決め、期限を決め行動に移します。まず、毎日の体重を測定します。
体重をyとすると、体重をコントロールする式は次のようになります。
y=ax+bx+cx+A … aは食事のカロリー、bは毎日の歩く歩数、cは睡眠時間、Aは大きな設備投資など、体重の場合は、ジムに通うと言ったことになります。
体重を減らすためには、体重計に乗るだけではなく、事前に検討した目標の食事のカロリー、歩数、睡眠時間と言った数字を毎日手帳に記録し、反省することが大切です。
自分だけでは、コントロール出来ない場合は、ジムに通い、指導してもらうことが必要になるかもしれません。ここで一番大切なことは、自分自身で、期日までに目標体重になりと強い決意を持つことが大切なのです。
数値を把握するためには、数値を毎日計算する担当者を明確にする事です。
売り上げは誰、人事生産性は誰と決めて、事務所などの関係者が全員見えるところに書き出します。
体重をコントロールする時も毎朝測定し、手帳につけるだけで、効果が出てくる場合があります。
図の、点線の部分は、従業員から見た、工場のいいところを示すとすると、あなたの工場の従業員の方は、工場のいいところを、どんな項目で、どんな数値で自慢しますか。
売り上げ、人時生産性、クレーム数と同じように、毎日、有給取得者数、流れた有給数、有給を5日以上取得した人数などの、従業員からみたいい工場の数値の把握が必要な時代になって来ていることに気がついていますか。
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