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【食品工場長向けコラム】 地域の方からいい会社と言われるために

2019/12/16 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「地域の方からいい会社と言われるために」と題して、地域に溶け込み、周りから良い会社と思ってもらうためには何が必要なのかについてまとめました。

目次

  • タクシーで会話すると
  • 工場の周辺の整備が必要
  • 非常時の対応が重要

タクシーで会話すると

地域の方からの食品工場の評判は、最寄り駅からタクシーに乗り、運転手さんと会話すると確認する事が出来ます。「○○食品にお願いします」、「あそこの工場はどうなの」この会話だけで、地域の方の評判が聞こえて来ます。酷い工場であれば「あの工場の従業員が先日酔っ払い運転をして事故ったばかりだよ」、「従業員の改造車が煩くて困るよ」等と言った評判も聞くことができます。

「あの会社の商品は本当に美味しくて、私も毎日食べています」、「あの会社の女将はしっかりしていますから」と言った評判が聞こえると嬉しくなるものです。

工場の周辺の整備が必要

工場の周辺に川が流れている、牧場がある、養鶏場があると言った場合は、虫の発生源になる可能性があります。隣の工場が自動車の塗装工場で有機溶媒の臭いが漂っていた食品工場もありました。

工場の近くの一般の民家でも、ゴミ屋敷、猫屋敷がある場合は、食品工場側での対策がとられているかの確認が必要になります。

工場に入荷してくる配送車、工場の製品を運び出す配送車が通るために充分な道幅があるかの確認が必要です。40フィートのコンテナで原料を運び入れている工場で、コンテナが歩道の無い小学生の通学路に止めて荷物を下ろしていた工場もありました。

原材料の配送車が安全に工場に来られるかの確認を行います。コンテナ車などの大きな配送車が通る道路は轍が出来やすくなります。停止位置にも大きな轍が出来てしまいます。

入荷待ちの配送車が路上で待機している場合があります。本来は工場敷地に配送車の待機上が必要になります。理想的には、配送車のドライバー用のトイレ、備蓄用の自動車燃料などが必要になります。

工場敷地の外周を確認するときには、騒音、臭いが無いかの確認を行います。

騒音は、シャッターの開け閉めの音、吸排気ファンの音などがあります。昼間は問題が無くても、深夜になると、音が響く場合があります。工場で働く方は、働いている時間だけが問題ですが、近隣の方は、24時間365日同じ音を聞き続けているのです。騒音でクレームが来る前に対策を打つべきです。騒音、異臭対策は毎日生活している方の立場で対策を打つことが必要です。

食品工場からは様々な臭いが発生します。浄化槽からの臭い、フライヤーからの臭い、製品から発生するスパイシーな臭いなどがあります。商品として臭う時には、美味しく感じる臭いであっても、近隣の方が24時間365日同じ臭いを嗅いでいると異臭に思えてきます。

臭いの除去については、時代時代の技術の最高水準の設備で対応すべきです。

食品工場の敷地内に、虫を呼び寄せる草木があってはなりません。創業者が植えた桜の木がある工場もありますが、虫を呼び寄せる草木が敷地内に有る場合は、工場の作業場内に虫等が入らない工夫がされているかの確認を重点的に行う必要があります。

工場の建物付近には雑草が生えないように小石を30cm以上の高さで敷き詰めると雑草が生えてきません。雑草が生えないような工夫がされているかの確認が必要です。

敷地内に使用していない設備、使用していない木製パレットなどが何年も放置されている場合があります。特に不要設備などは、一度工場の外に出してしまうと二度と使用しない物です。工場の外に放置してある設備備品は直ぐに片付けるべきです。

工場の作業場内に本来有るべき段ボール置き場などが外の倉庫に置かれている場合があります。冷蔵庫なども輸送用のコンテナを使用して外部に置かれている場合があります。

私は製品に使用すべき包装資材、原料などは、工場の作業場内にあるべきだと考えます。少なくても雨風に当たる事なく、作業場まで運べる環境が必要になります。

何時、工場の外周の「絵を」撮られても「この工場なら異物混入が起きるはずは無い」と思える管理が必要です。

非常時の対応が重要

地震などの天災時に、地下水が提供できる、段ボールが提供できる、非常食が提供できるなど、地域の方の援助を想定し、地域の方を巻き込んで、常に訓練を行う事で、地域の方と連携することが出来ます。

食品工場長向けコラムの記事一覧

不審者対策ができているか 〜大阪放火事件から学ぶこと〜

ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

帳票の管理について、クレーム発生時にすぐに確認ができるか

現場で手書きの表示は行わない

帳票は毎日印刷すること

トレースバックできる仕組み作り

地域からの苦情の受付について

個人情報の取り扱いについて

危機管理センターの備えておくべき電気設備

危機管理センターの備えておくべき通信設備

危機管理センターという考え方

虫対策の必要性

殺菌の必要な設備の設計

こんな新設備の提案がほしい

ネット上の情報を確認していますか

ミス失敗の図書館が必要

安全衛生点検の必要性 〜転倒事故を防ぐために〜

コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

AI等の設備投資

食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ

天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと

通勤時の荷物について

清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか

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・地域の方からいい会社と言われるために

生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を

バイトテロを防ぐ従業員教育

残業の管理をどうすべきか

有給取得率を把握していますか

食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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