あなたの工場で、大きな地震がありました。作業場で働いている方の集合場所は何処になりますか。集合した従業員の方が、全員揃っているかどうかをどのように点呼しますか。
従業員の他にも、設備点検に来られている業者の方等の安否も確認する必要があります。
最近のタイムカードは、入場している方のリストが出せる物もあるので、「必要になったら打ち出せばいい」と考えている工場がほとんどだと思います。
大きな地震が発生し、設備が倒れ、動けなくなっている作業者が出るかもしれないと考えるか、「大きな地震は来ないよ」と考えるかです。
起こりうる危機を常に考え、備えられる物は備え、どうすればいいかの指示を出せる場所、危機管理センターを考える事が必要な時代になっていると私は思っています。
起こりうる危機を考え、直ぐにできること、少しお金をかけて出来る事、理想の絵を常に考える事を考え、備えられる物は備えることが大切なのです。
直ぐにできることは、食品工場に入場するためには、手指チェック、健康チェックを行っているはずです。この健康チェック表を、有事の際には、持って集合場所に行くことを徹底します。
少しお金をかけるのであれば、物置を集合場所に設置し、机、筆記用具などを備えて、机を広げ、健康チェック表と確認を行うようにします。
理想的には、地震でも倒壊しない交番の建物のような危機管理センターを、工場が倒壊しても被害の無いところに設置します。この危機管理センターが、起こりうる、天災、労災、食品事故、盗難、火災、停電などの危機に対する本部になるのです。
危機管理センターは、自家発電装置を備えているので、パソコン上で、工場内にいる従業員の把握は直ぐにできるはずです。従業員のヘルメットには、ICチップが埋め込まれているので、防災センターの集合場所のゲートを通過する事で、避難したかどうかの確認が出来ます。避難されていない方が、何処の作業場で作業していたかも、パソコン上で直ぐに確認出来るのです。顔認証システムで、従業員の把握を行う事が可能かもしれません。
現在の技術では、ICチップを使用したほうが、集計の作業性が、優れていると思います。
この話は、「そんな管理本当に出来るの」と思うかもしれません。しかし、従業員の作業配置ソフトは、実用化されています。ICチップの入退場システムも実用化されています。
タイムカードを打刻すること無く、従業員が何処で作業しているか、リアルタイムで把握することは、実際に行われているのです。
・ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜
・危機管理センターという考え方
・食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ
食品安全教育研究所 代表 |
1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。 【最新刊の案内】
|