HOME > 情報システム分野 > IT レポート > ネット上の情報を確認していますか

【食品工場長向けコラム】 ネット上の情報を確認していますか

2020/10/16 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「ネット上の情報を確認していますか」と題して、ツイッターなどソーシャルメディアを中心にインターネット上で工場や製品の悪い評判が拡散する可能性やリスク、その対策の重要性などをまとめました。

目次

  • いい情報ならいいのか
  • 口に戸は立てられない

いい情報ならいいのか

あなたの工場でケーキを作っていたとします。

従業員の方がネットで「私がまじめに造った美味しいケーキです」とアップしていることを、工場長のあなたがたまたまネット上で見つけたら従業員に対してなんて話されますか。「どんどん宣伝してくれ」、「工場の中で業務上知り得た事をネットで流してはだめだよ」

あなたの工場はどちらの方針ですか。

「私の工場でまじめに造った美味しいケーキです」

このネット情報を見て注文が殺到すれば、会社としては、つぶやいた方を間違い無く表彰したくなると思います。

企業アカウントを取得して、企業の人格でネット情報のアップを行っている企業があります。

まさしく従業員が行っている事と同じ事を行っているのです。

工場長のあなたは、従業員に対して、「工場の宣伝になるので、ネット上で、どんどんつぶやいてください」と朝礼で話しました。

工場長のあなたは、従業員はいい情報しか流さないだろうと思っていたのです。

口に戸は立てられない

「口に戸は立てられない」と言う言葉があります。「悪事千里を走る、好事門を出でず」ともいいます。「王様の耳はロバの耳」にという童話もあります。

人間は、知り得た事、目で見てしまった事を黙っている事は出来ない物なのです。

例えば、あなたの工場で賞味期限が一年前に切れてしまっている凍結原料を使用し一年間商品を製造していたとします。

従業員の方から「賞味期限が過ぎていますが使用してもいいのですか」と、工場長のあなたは尋ねられました。

工場長のあなたはオーナー社長から原材料費の削減、廃棄食材の削減を毎日厳しく言われています。

賞味期限を過ぎた原材料を廃棄してしまうと社長から求められたノルマを達成する事は出来なくなってしまいます。

凍結原料は賞味期限を過ぎてもすぐに危害がある訳ではありません。

工場長のあなたは質問して来た従業員に「凍結品は直ぐに悪くならないから期限の過ぎたものでも使用してもいいよ」と答えてしまいました。

賞味期限を過ぎた原料を使用してはいけないと思っている従業員は期限の切れた原料の写真、工場長とのやりとりをネット情報に載せてしまいました。

ネット情報で情報を知り得た方は「私が毎日食べていた食品が、安心して食べていたのに、許せない」とネット情報の中のツイッター(Twitter)で「拡散」をしたのです。

工場の従業員の方は数少ないツイッターのフォロワー数でしたが、「許せない」と思った方は、ツイッターのフォロワー数が非常に多い方でした。

一瞬のうちにツイッター上で賞味期限切れの食材を使用している事が広まってしまいました。

マスコミよりも先に情報が世の中に伝わってしまうのです。

ツイッター以前のインターネット上の掲示板にも企業の内部告発もどきは数多く投稿されていました。

2ちゃんねる、5チャンネルなどの掲示板情報は、信用しない方も多くいた事も事実です。

しかし、ツイッター情報は、情報を伝える方の信用があれば、情報自体も信じられてしまうのです。

何時もテレビに出られているような方が、賞味期限の切れた原料を使用しているとツイッターで伝えればあっという間に情報は信頼される情報として伝わる可能性があるのです。

あなたの工場の外周の写真を撮られ、ネット上にアップされても問題はありませんか。敷地ギリギリにパレットを3m以上高く積んで、倒れた場合、歩道まで崩れるような状態を放置していませんか。従業員の方が、歩道いっぱいに横に並んで、たばこを吸いながら通勤していませんか。改造車、改造バイクで、騒音を出しながら通勤している方はいませんか。

工場内の事だけで無く、通勤時の従業員の態度でも、ネット上で炎上する可能性があります。

あなたの工場の写真、従業員の写真、製品の写真などがアップされ、悪意を持ったコメントが書かれたとします。ネット上に悪意を持ったコメントがされていないか、毎日、確認する仕組みは出来ていますか。確認は、言葉、単語だけで無く、写真、動画などでも検索し、確認する必要があります。

ネット上の書き込みを検索してくれる、専門の業者も出来てきました。

私の工場は大丈夫、と思わずに対策を行う事が必要です。

食品工場長向けコラムの記事一覧

不審者対策ができているか 〜大阪放火事件から学ぶこと〜

ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

帳票の管理について、クレーム発生時にすぐに確認ができるか

現場で手書きの表示は行わない

帳票は毎日印刷すること

トレースバックできる仕組み作り

地域からの苦情の受付について

個人情報の取り扱いについて

危機管理センターの備えておくべき電気設備

危機管理センターの備えておくべき通信設備

危機管理センターという考え方

虫対策の必要性

殺菌の必要な設備の設計

こんな新設備の提案がほしい

・ネット上の情報を確認していますか

ミス失敗の図書館が必要

安全衛生点検の必要性 〜転倒事故を防ぐために〜

コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

AI等の設備投資

食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ

天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと

通勤時の荷物について

清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか

従業員満足を考えていますか

地域の方からいい会社と言われるために

生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を

バイトテロを防ぐ従業員教育

残業の管理をどうすべきか

有給取得率を把握していますか

食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
ホームページ「食品工場の工場長の仕事とは」主催
メールマガジン「食品工場の工場長の仕事」を発行中

【最新刊の案内】

「最新版 ビジュアル図解 食品工場のしくみ」
食品をめぐる問題が様々な形で話題になっている昨今、興味の高まる食品工場の品質管理や安全管理から、衛生管理、原材料管理、流通、商品開発などまで、わかりやすく解説する。

食品×ITの専門情報誌「食品ITマガジン」ダウンロード

食品業界を取り巻く旬なテーマの特集やコラム、お客様のIT活用事例インタビューなど、お役立ち情報満載のマガジンです。
どなたでもPDFでダウンロードいただけます。

最新号を見る
無料
  • 「UCHIDA ITメールマガジン」にご登録ください!
    セミナーやお役立ち情報をメールでお届け

関連E-BOOK

無料

食品×ITの専門情報誌「食品ITマガジン」ダウンロード

新着記事

情報システム分野

主な製品シリーズ

  • 文書自動配信サービス「AirRepo(エアレポ)」
  • 業種特化型基幹業務システム スーパーカクテルCore
  • 会議室予約・運用システム SMART ROOMS
  • 絆 高齢者介護システム
  • 絆 障がい者福祉システム あすなろ台帳

セミナーレポートやホワイトペーパーなど、IT・経営に関する旬な情報をお届けする [ ITレポート ] です。

PAGE TOP

COPYRIGHT(C) UCHIDA YOKO CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.