みなさんの工場では、通勤時間前の早朝に大きな地震が発生した時に、従業員に対して、出勤すべきか、自宅待機させるかをどのように連絡しますか。
従業員に連絡する場合に工場の事務所が使えないとき、工場が停電したときに、どのように連絡体制を取るか検討していますか。
市販されているシステムでは、非常時にメールで全員に配信し、安否連絡を自動でまとめてくれる物があります。対応についてもコメントを配信できる物もあります。
停電時を考えると、外部システムの利用を検討されることがお勧めです。
外部の非常連絡システムを導入するまで、今日起きたとしたら直ぐにどうするかの検討が必要です。非常連絡の担当者が、自宅からシステムにアップし、もし担当者が被害に遭ってアップできないときにどうするかまで、想定しておくべきです。
従業員の個人所有の携帯電話のメールアドレス、LINEなどを利用して連絡している場合を見かけますが、個人情報の管理上、個人所有携帯電話の連絡先を使用することは避けるべきと考えます。
連絡が直ぐにとれない場合は、「震度5以上の地震が発生し停電している場合は、自宅待機する」と想定される事態と対応方法をあらかじめ決めておくことが必要です。
安否確認については、「家族を含めての安否確認をメール、電話で、○○まで一時間以内に連絡すること」と対応を決める必要があります。
天災時で自宅待機の場合の賃金をどうするか考えていますか。
社員の場合は月給扱いで支給されると思います。
時給扱いのバイト、パートの場合は自宅待機の場合の給与がどうなるか、連絡するときに併せて伝えると、従業員は安心するものです。
例えば「今朝発生した地震の影響で、停電してますので、本日は自宅待機です。なお、賃金は、出勤扱いで支給いたします。明日以降については、夕方五時までに連絡します」と連絡することが必要です。
従業員に連絡を行った時に連絡を受けた従業員は、家族の安否確認を行うことが必要です。
従業員名簿を用意して、連絡漏れの無いことを確認し、安否が確認できた方を消し込んで行きます。
一時間過ぎても、連絡がつかない方は、直接電話をする、自宅を訪問するなどして安否を確実に把握することが必要です。特に、単身者は、怪我をされて動けない等の被災されている可能性があるので、連絡が無い場合の対応を本人と事前に確認しておくことが必要です。
この一連の作業、地震が発生してから全員の安否確認を何時間以内に出来るかを、日常的に訓練しておく事が必要になります。
・ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜
・食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ
・天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと
食品安全教育研究所 代表 |
1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。 【最新刊の案内】
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