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【食品工場長向けコラム】 危機管理センターの備えておくべき電気設備

2021/4/28 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「危機管理センターの備えておくべき電気設備」と題して、大きな災害や事故など非常時に想定される状況と対策、理想的な食品工場の危機管理についてお話します。

目次

  • 最低一週間は自立できる環境
  • 充分な照明が必要
  • 直ぐにできること
  • ちょっとお金をかけてできること
  • 理想的な設備

最低一週間は自立できる環境

自家発電装置は、理想的には、工場全体が稼働出来る設備を設置したいものです。

自家発電装置は、一般的にA重油を使用する物を設置しますが、LPガス、軽油など様々な燃料で稼働する物があります。自家発電装置を導入するときには、燃料の備蓄方法と供給体制の確認が必要です。2018年に発生した北海道のブラックアウトの時には、道路の信号設備も停電したため、燃料を補給するタンクローリーが公道を走ることで、事故を起こしたときのことを考え、配送が出来なかったそうです。

何日分の燃料を備蓄し、その後の補給をどうするかが、自家発電装置を設置するときのポイントになります。

稼働させる燃料も、非常時であれば、A重油、軽油、灯油等どの燃料でも可動出来るかどうか、配送車などの燃料備蓄と自家発電装置の燃料備蓄を兼用させる事で、日常的に燃料備蓄ができます。2011年3月11日に発生した東日本大地震の時に、関東でも、ガソリンスタンドへの補給が間に合わず、自家用車の大行列が発生しました。

工場の責任者の公用車などは、軽油を使用する物にし、非常時には、危機管理センターの発電機として使用できるように準備しておくべきと考えます。

充分な照明が必要

夕方大きな地震が発生したとします。地震と同時に停電になったとします。

あなたの事業所に何本の懐中電灯が準備されていますか。

危機管理センターは、自動で照明がつくように設定し、明かりを求めて、工場から従業員の方が集まってきます。

理想的には、従業員の数だけの懐中電灯が必要です。理想的には、近隣の方に、渡せる数が必要になります。責任者の方は、両手があく頭に付けるタイプの懐中電灯がお勧めです。

当然、同じ数の予備の電池が必要になります。車通勤の方には定期的に懐中電灯、電池などの配付を行い、常に備えて置くようにすることもお勧めです。

また全従業員に、非常時の笛、小さな懐中電灯を配付し、日常的に持つように啓蒙することも必要になります。

直ぐにできること

ネット環境にアップできるパソコン、タブレットなど最低の通信設備が一週間稼働出来るバッテリー、電池等を準備します。

懐中電灯、ランタンなどの最低限必要な照明に使用する電池も、連続稼働で1週間分準備します。

ちょっとお金をかけてできること

危機管理センターの照明、通信設備、トイレに使用する水を送水するモーターの電源だけでも稼働出来る自家発電装置、もしくは自動車などを準備します。

どちらも、最低一週間分の燃料が必要になります。軽油の保管は、ある程度容易にできます。

理想的な設備

工場全体が稼働出来る、もしくは、原材料、中間製品、製品の保管が出来るだけの容量を確保することです。自家発電装置を可動出来る燃料は、どのように補給されるかを検討し、最低1週間可動出来ることが必要です。

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食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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