食品安全教育研究所 代表 |
1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。 【最新刊の案内】
|
インターネット上に投稿された「バイトテロ」と呼ばれる内容が多く報道されています。
少し前の時代であれば仲間内で評判になっていたことが、瞬く間に、世界的に広まってしまう時代になっていることを改めて教えてくれる現象です。
あなたの工場では、従業員のインターネット上の投稿をどのように教育していますか。
「私は、お盆のお土産に自分の工場の製品を持ってくのが楽しみです」、「お弁当に私の作った製品を入れると、子供も喜びます」と言った、自社の製品を自慢する投稿は認めていますか。悪意を持った投稿だけを規制していますか。「子供の運動会で有給を申請しても、時季を変えてくれと言われた」、「今度の工場は作業着を自分の家で洗濯するなんて信じられない」と言った事実の投稿も規制していますか。製造している商品、工場で知り得た事すべてに関して、投稿を禁止するかを充分に検討することが必要です。
ネット投稿の取り扱いについては、就業規則で規定すべきです。ネット投稿によって受けた損害についても損害賠償の責任がある旨を明確に謳っておくことが必要です。
就業時間、賃金などを定め、毎年従業員と取り交わす、雇用契約書の中にもネット投稿についての規定を謳い、署名が必要になります。就業規則に記載しただけでは細かく読まない方もいますので、毎年確認する。賃金と同じように毎年確認し署名させることで、ネット投稿について、意識するようになります。
毎日の製品売上などの数字を確認するように、毎日、ネット上の情報を検索する必要があります。会社名、製品名などの言葉だけでなく、社名、製品名などのロゴ、製品の写真、動画の検索も必要です。テレビ番組などで取り扱われると、爆発的に売れる場合もあるので、テレビ、ラジオ、ネット番組などの確認も必要です。
ネット上の確認を行い、問題があれば連絡してくれる企業も出てきています。
従業員の投稿だけでなく、一般の方が投稿する場合も多いので、毎日の確認が必要です。
ネット投稿について教育を行う時に、「何をしたらだめ、これをしたらだめ」の教育を行っても、教育の成果が上がらないものです。教育のはじめに、従業員から見た時の工場の魅力を説明する必要があります。同業他社と比較して、従業員の事を考えている事の数値を持って、具体的に説明する必要があります。
賃金、時給以外に、工場の魅力を数値で説明出来ることが必要になります。
工場に夢を持って入社してきた従業員が、他の工場に移りたくならないためには、従業員の満足度を上げ、働くことの意識を上げるような魅力が必要なのです。
工場に魅力を持ち、工場を自分の工場と思うような教育を行う事が、ネット投稿などを防ぐ第一歩になるはずです。
・ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜
・食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ
・清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか
・バイトテロを防ぐ従業員教育