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【食品工場長向けコラム】 データの流出防止 〜パソコンなどの持ち出しを許可しているか〜

2022/4/20 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「データの流出防止 〜パソコンなどの持ち出しを許可しているか〜」と題して、社内の重要なデータを外部に流出させないためにやるべきことなどをご紹介します。

パソコンなどの持ち出し禁止

「会社のパソコンで自宅でも仕事しているし、持ち出せないと困るんだけど」と、パソコンの持ち出し禁止を決めると、とくに管理者の方の声が聞こえてきそうです。

食品工場のパソコンは、危機管理上から工場外への持ち出しは禁止すべきです。どうしても仕事をしたい場合は、データをサーバーに上げ、クラウド化することで、外部のパソコンで仕事ができるはずです。

データのコピーに便利なUSBメモリーは、物理的に使用できないようにすべきです。
社内外でデータが必要な場合はサーバーからダウンロードし、誰がどんなデータを使用したかログが残るようにします。

営業などで、社外でプレゼンのためパソコンを使用する場合は、パソコンを盗難、紛失してもいいようにデータはパソコン上に残さず、使用する度にパソコンにクラウド上からダウンロードし、作業するようにすべきです。パソコンを閉じた段階で、データはパソコン上から消えているように設定します。

サーバーへのアクセスは、ログが残り、誰がどのようなデータにアクセスしたか、記録が残ることを十分に関係者に説明し、もし、データの流出が認められた場合は、解雇だけでなく損害賠償もありうる事を就業規則で定める事が大切です。

悪意を持ってデータを持ち出したときに、失う物の大きさを伝えることが抑止力になるのです。

就業規則で決めても

本当にあった話です。私がある製品の工場監査に行ったときに、配合上、保存性に疑問があったので、「この製品の配合はどのように決めたのですか」と質問すると「まえ働いていた工場のものです」と答えた工場責任者の方がいました。

パソコンの持ち出し禁止、USBメモリーの禁止、メールはすべて記録している等と言った防護策をとっても、実際に配合を担当されている方は配合を覚えてしまいます。

製造方法も頭の中に入ってしまうので、社内データの持ち出しを禁じても、配合、製造方法などは漏れてしまうものです。就業規則で、一年以内の同業他社への転職を禁じているところもありますが、完全にデータの流出を防ぐことは難しいものです。

同じ配合、同じ設備で製造しても、保存性などは、製造工場によって大きく異なるものです。工場の環境などで、製造工程、配合表などが流出しても、他社ではまねができない、強みを作りあげることが本来大切であることを忘れてはならないのです。

データの流出防止チェックリスト

項目 内容
1.就業規則の整備 データの持ち出しなどについて就業規則で定められているか
2.パソコンの持ち出し禁止 パソコンなどの持ち出しを禁じているか
3.社外用のパソコン 社外で使用するパソコンは、データがパソコンに残らない物か
4.サーバのアクセス サーバのアクセスはログが残るか
5.工場の環境 作業場の衛生環境等は、他社に勝っているか
不正を防ぐために

食品工場長向けコラムの記事一覧

・データの流出防止 〜パソコンなどの持ち出しを許可しているか〜

ICカードの利用 〜生産性向上、歩留り向上のために〜

アンテナを高く 〜最新の情報を集め、活用しているか〜

不審者対策ができているか 〜大阪放火事件から学ぶこと〜

ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

帳票の管理について、クレーム発生時にすぐに確認ができるか

現場で手書きの表示は行わない

帳票は毎日印刷すること

トレースバックできる仕組み作り

地域からの苦情の受付について

個人情報の取り扱いについて

危機管理センターの備えておくべき電気設備

危機管理センターの備えておくべき通信設備

危機管理センターという考え方

虫対策の必要性

殺菌の必要な設備の設計

こんな新設備の提案がほしい

ネット上の情報を確認していますか

ミス失敗の図書館が必要

安全衛生点検の必要性 〜転倒事故を防ぐために〜

コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

AI等の設備投資

食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ

天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと

通勤時の荷物について

清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか

従業員満足を考えていますか

地域の方からいい会社と言われるために

生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を

バイトテロを防ぐ従業員教育

残業の管理をどうすべきか

有給取得率を把握していますか

食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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