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【食品工場長向けコラム】 設備のバックアップについて 〜欠品を防ぐために〜

2022/5/31 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「設備のバックアップについて 〜欠品を防ぐために〜」と題して、工場の通信手段や生産設備が故障したときの影響や、万が一に備えて常にバックアップ方法を考えておくことの重要性などをご紹介します。

「他山の石」から学ぶ事

北海道の遊覧船で大きな事故が発生してしまいました。どんな事故でも、自分を磨くために考える事を他山の石といいます。反対語として「対岸の火事」があります。

遊覧船で何か事故があったときに地上に連絡するためには、無線、衛星電話、携帯電話などが考えられますが、事故を起こした船は、そのすべてが通じることは無かったのです。
最終的には、お客様の携帯電話を使用して事故の通報を行ったと報道されています。

あなたの工場の近くの携帯電話の中継局が交通事故で不通になり、更に電柱も倒れ、インターネット回線が切れてしまったと想定すると、あなたの工場の通信手段は何か残りますか。

実際、私が働いていた流通センターで、交通事故でセンター前の電柱が倒れ、インターネット回線が切れてしまい、仕分けに必要なデータが受信できない事象が発生してしまいました。当時の携帯電話では、ネットに接続してもスピードが遅く、通常の数倍の時間が受信にかかってしまいました。

製造数量などの数字であれば、音声電話で数量の確認もできますが、コンビニの店舗仕分けのデータになると、音声連絡では対応ができなくなってしまいます。
現在では、携帯電話のデザリング、衛星電話の利用など、複数の通信手段で対応しておくべきです。
私が働いていた外資系のスーパーには、事業所にはすべて、衛星電話、衛星電話で使用できるFAXが整備されていました。もちろん、月に一回はテストを行っていたのです。

通信手段は必ず複数以上持つ事、あなたの事業所では対応できていますか。

生産設備で考える

北海道、千葉などで、天災による長期停電を私たちは経験しています。

数時間以上の停電になったときに、どのように対応するか検討し、準備していますか。
停電した途端に必要なデータが無くなり、酸素の必要な水槽にいる魚が死んでしまいませんか。

もし、ボイラーが故障したときに、どのように蒸気が無くても生産を続ける事ができるか、検討していますか。ボイラーを入れ替えるときに、新品のボイラーを運んでもらい、設置し稼働するまでに何時間かかるか、シミュレーションしていますか。

ボイラーの様に、あなたの工場で一台しか無い生産設備が、もし壊れた時に、どのように生産すれば欠品しないか、検討していますか。
あなたの工場で生産した商品を待っているお客様の顔を思い浮かべて、常に、バックアップの方法を考えておくことが、本来の責任者の仕事になります。

設備のバックアップチェックリスト

項目 内容
1.通信手段が複数あるか インターネットケーブルが切断された時の対応策があるか
2.停電時の対応ができるか 停電時の対応について検討されているか
3.ボイラーが複数あるか ボイラーなどが壊れたときの対応を検討しているか
4.一台しかない生産設備を把握し、対応策があるか 包装機、ラベラー等が壊れた時の対応策があるか
通信手段を複数持つ

食品工場長向けコラムの記事一覧

・設備のバックアップについて 〜欠品を防ぐために〜

データの流出防止 〜パソコンなどの持ち出しを許可しているか〜

ICカードの利用 〜生産性向上、歩留り向上のために〜

アンテナを高く 〜最新の情報を集め、活用しているか〜

不審者対策ができているか 〜大阪放火事件から学ぶこと〜

ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

帳票の管理について、クレーム発生時にすぐに確認ができるか

現場で手書きの表示は行わない

帳票は毎日印刷すること

トレースバックできる仕組み作り

地域からの苦情の受付について

個人情報の取り扱いについて

危機管理センターの備えておくべき電気設備

危機管理センターの備えておくべき通信設備

危機管理センターという考え方

虫対策の必要性

殺菌の必要な設備の設計

こんな新設備の提案がほしい

ネット上の情報を確認していますか

ミス失敗の図書館が必要

安全衛生点検の必要性 〜転倒事故を防ぐために〜

コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

AI等の設備投資

食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ

天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと

通勤時の荷物について

清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか

従業員満足を考えていますか

地域の方からいい会社と言われるために

生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を

バイトテロを防ぐ従業員教育

残業の管理をどうすべきか

有給取得率を把握していますか

食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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