ゴロゴロとカミナリが落ちそうな気配があるときには、パソコンの電源を落として電源ケーブル、LANケーブルなどを抜くといいと言われています。ゴロゴロ鳴り出してからだと、ケーブルを抜いている最中にカミナリが落ちると、抜いている方がカミナリの被害に遭ってしまいます。
カミナリ対策には、UPSが有効と言われています。
UPS とは「Uninterruptible Power Supply」の略で、日本語では「無停電電源装置」と言われています。なぜUPSを設置するだけで機器を守ることができるのか。実は、UPSには雷サージを吸収する素子である「バリスタ」が内蔵されています。
バリスタとは、バリアブル・レジスタ(Variable Resistor)の略で、電圧により抵抗値が可変する半導体素子をいいます。ふだんは抵抗値が高くほとんど電流を流しませんが、一定の電圧を超えると抵抗値が急激に低下して電流が流れはじめ、電圧は一定になるという特性があります。
この特性を応用した製品が「雷ガード電源タップ」で、回路にバリスタを挿入することにより、誘導雷サージで発生する電流から電化製品を保護します。バリスタの入った電源タップを使用することで、カミナリの被害を防ぐことは出来ますが、停電になってしまうと、パソコンが強制的に終了してしまい、データなどが破損してしまう可能性があります。
UPSも停電してから5分程度あれば、通常の作業でパソコンの電源を落とすことができるので、カミナリ対策、停電対策だけを考えれば、非常に安価なUPSで十分な事になります。
停電対策を考えるときに、「ノートパソコンだから大丈夫」と言う方もいますが、カミナリで発生する雷サージと呼ばれる現象があります。雷サージとは、雷によって発生する一過性の異常な高電圧・過電流のことで、避雷針やアンテナ、電線などを伝ってパソコンに侵入することで被害をもたらします。すなわち、ノートパソコンでもカミナリの被害に遭う可能性があるのです。ノートパソコンであれば、カミナリ対策が出来ている電源の延長ケーブルを使用していれば、防ぐ事ができます。
デスクトップのパソコン、モニター、外付けハードディスクは、雷サージが侵入してくる経路にUPSを設置することで、大切なIT機器を雷サージから守ることが期待できるのです。
工場にカミナリが落ちたときに、事務所のパソコンだけでなく、生産設備にカミナリの影響が出ないか、電源供給の設備にカミナリ対策ができているか、確認する必要があります。
工場で使用しているパソコンがカミナリ被害に遭った時には、一般的な火災保険で保証されていますが、契約内容によっては、ノートパソコンは保証されていない物もあります。生産設備も、カミナリで破損したときに保険が出るかどうかの確認が必要です。
しかし、保険で保証してくれるのはパソコン等の機械だけになるので、大切なデータは保証してもらえません。
理想的には、すべてのデータをクラウド化することです。クラウドを直訳すると「雲」ですが、インターネット上のデータの保存置場を「雲」に見立てています。 手元にあるデータをインターネット上のデータ置場(クラウド)に保存することで、手元のデータを保存しているパソコンがカミナリ被害にあっても、データは守られる事になります。
「クラウドするほどではない」という方は、外付けハードディスクにデータのバックアップを取って、パソコンとは常時つなぐことなく、別の所に保管しておくことをお勧めします。
パソコンがカミナリで燃えてしまっても、データだけは生き残っていることです。
項目 | 内容 |
---|---|
1.カミナリ対策の担当がいるか | カミナリなどの危機を考える担当が明確になっているか |
2.バリスタ (電子部品)があるか | 必要な箇所に、バリスタを使用した対策ができているか |
3.保険が有効か | パソコン、生産設備が壊れた時の保険をかけているか |
4.データのバックアップ | 必要なデータがクラウドなどにバックアップできているか |
・カミナリ対策に無停電装置が有効
・データの流出防止 〜パソコンなどの持ち出しを許可しているか〜
・ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜
・食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ
食品安全教育研究所 代表 1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。 |
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