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【食品工場長向けコラム】 原材料管理について ~適切な在庫の取り方~

2023/3/24 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「原材料管理について ~適切な在庫の取り方~」と題して、原材料の発注・入庫時に確認すること、理想的な実在庫の取り方についてなどお話します。

適正在庫量を決めているか

工場で使用する、原材料、包装資材の適正在庫量を決めていますか。一般的には、月末が近づくと「在庫量は3日分以下にしなきゃいけない」と言って、発注を押さえ、月末の経理上の在庫量を抑えている工場がほとんどだと思います。

包装資材を含めた原材料の在庫は、少なければ急な注文に対応が出来ず、多ければ整理などに時間がかかってしまいます。月末在庫を抑えるのは、資金繰りに影響が出るので、月次決算上の数字に出ないように月末在庫を押さえているだけと言うことになります。

原材料を運んでくるトラックの大きさ、原材料の製造LOTを考え、最も適切な配送LOTを原材料メーカーの立場で考えることが必要です。

運び方も、配送車にばら積みでは無く、下ろしやすい形態を考えるべきです。

原材料を発注した段階で、LOT、数量を明確にしたQRコードを発行し、原料メーカーに事前にQRコードを貼って入荷してもらいます。検品時にQRコードをスキャンすることで、原材料庫に入庫したデーターが入力されることになります。

原材料の入庫作業が終わった時点で、原材料毎に事前に決めている、基準在庫量を超えている、不足している在庫があれば、確認出来る事が必要です。

リストをみながら月末在庫を照合しているか

原材料を、作業場に出庫する時点で、QRコードをスキャンし、出庫します。この時点で、数量の確認だけで無く、FIFO (First In, First Out)、先入れ先出しでは無い原材料を出庫した場合、スキャン時にアラームが出る事が必要です。

本来出庫すべきLOTでは無いLOTを出庫した場合は、システム上先に進めないようにすべきです。

実在庫を取るときに、原材料名のリストを手にして、空白の数量の所に数量、LOT、賞味期限などを記載していませんか。

理想的に実在庫を取るためには、手にしているリストに、原材料のLOT毎の在庫量が、事前に印刷されていて、現場で確認しチェック出来る事が必要です。

データーが表示されているタブレットを手にして、QRコードをスキャンし、チェックできる事が理想的な実在庫取りになります。

あなたの工場は、実在庫のリストを見ながら、実在庫を取っていますか。

理想的な実在庫の取り方に関するチェックリスト

項目 内容
1.入荷時に入力しているか 原材料の入庫時に在庫表に入力ができているか
2.過剰在庫、欠品がわかるか 入庫が終了した時点で、過剰在庫、欠品リストがでるか
3.FIFOミスがわかるか 先入れ先出しでは無いロットが出庫できない仕組みか
4.実在庫リストがでるか 実在庫を取るときに、数量などのリストが出ているか
実在庫の取り方

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食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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