一般消費者からのクレームにはならないものの、納品先からのクレームで「包装フイルムがテープなどで止めてある」と言ったものがあります。
包装機で使用している包装フイルムが無くなると、次のフイルムとテープで止めてフイルム交換を行います。この、次のフイルムと繋いだテープが、何処でも排除される事無く納品先まで行ってしまうのです。
包装ラインには様々な排除装置がついています。日付、バーコード読み取り、金属検出機等の自動排除装置で反応すること無く、箱詰めされてしまうのです。
しかし、排除装置で反応するように、包装フイルムのつなぎ方を標準化するだけで、確実に排除することが出来るのです。
フイルムのつなぎ箇所を、図の②の日付の打刻する場所、バーコードのところで行えば、日付センサーなどで確実に排除することが出来ます。フイルムを繋ぐテープを金属検出機で反応する材質のものに変更する事で、金属検出機で排除することが出来ます。
このフイルムを切断するところと、包装機の位置合わせを行うアイマークを合わせることで、作業者には「アイマークの前後5cmでカットし、アイマークを確実に合わせて、金属テープで留めてください」と簡単に標準化を行うことができます。
テープの色を包装資材で使用していない色を使用する事で、箱詰め者が気がつきやすくなります。
繋いだフイルムが箱の中に入らないように、何重にもハードルを設けることで、確実に防ぐ事が出来るのです。
クレームがあった時に、「再発しないように注意して検品してください」と注意するのでは無く、箱詰め検品の方が見逃しても、再発しない仕組みが必要なのです。
包装作業が終了したときに、包装フイルムは包装機につけたままにしますか。
毎日包装機から外していますか。包装機から外すときに、何処でフイルムをカットしますか。
フイルムの有効率、歩留まりを考えると、フイルムは一切カットすること無く、巻き戻して翌日に使用する事が有効です。
しかし、日付ミスなどを確実に防ぐためには、日付を印字する前の場所で、フイルムを切断し、日付を打っている場所は、毎日確実に廃棄する事が必要です。
終業時にカットする場所も、標準化が必要です。
クレームなどの再発防止のためには、「充分注意するように」と注意するのでは無く、「再発しない対策」を十分に検討することが大切です。
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食品安全教育研究所 代表 1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。 |
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