お客様からのクレームや地域の方からのクレーム等は、クレームのリストを作成しクレーム会議などで改善を確認していると思います。しかし、例えば横ピロー包装機のトラブルの対応方法などについて細かくリスト化し、①直ぐにできる事、②ちょっとしたお金をかけてできる事、③教育を受けていない方でもできるように対応することの①から③の対応をまとめ、対応をリスト化し、トラブルの図書館を作成している工場は少ないものです。
特に、①直ぐに対応できる事でちょっとした「こつ」が必要なことについて、特定の作業者だけの知識にすること無く知識の共有化(Knowledge Management)を行っている工場は少ないものです。
包装機がトラブルと特定の作業者を頼り、特定の作業者が休みの場合は対応ができない現場を私は多く見てきました。
まず、いわゆる「チョコ停」を起こした時は、必ず記録し、どう改善すべきかの「こつ」を含めて記録化、トラブルの図書館を作成することが必要です。
「こつ」の知識は、動画を作成することがお勧めです。作成した動画に簡単なこつの字幕を入れて、サーバーに保管します。
生産設備の取り扱い説明書も同様ですが、必要な時に直ぐに探し出すことが困難な物です。取り扱い説明書自体が何処にあるか、説明書を探し出しても必要な内容が何処に書いてあるかが直ぐに探し出せない物です。
サーバーにアップするときに、探し出すときに入力するキーワードをいくつか入れ、現場で使用しているスマホ、タブレットなどから、キーワードを入れて容易に検索できるようにすべきです。
また、包装機などの特定の設備には、過去に経験した対応のリストを作成し、リストに記載されているQRコード(Quick Response コード)をタブレットで読み取ると、対応の動画が確認できるようにすることで特定の作業者に頼ることなくトラブル対応ができる事になります。
このQRコードの動画化は、作業着の着替え方法、手洗方法など、基本的な個人衛生教育にも活用ができます。
動画と同じ作業スピードで作業を行うようにと、メトロノームのような活用方法も考えられます。
「こつ」の知識の共有化を進めることで、特定の作業者に作業が集中することを防ぎ、生産性が上がることが期待できます。
トラブルの図書館を作成し、「こつ」の共有化を考えてみませんか。
・知識の共有化について
・食品工場の工場長の仕事とは 〜常に改善を求める姿勢が大切〜
・生産設備のデーターのバックアップ 〜停電してもデーターが残るか〜
・原料から最終商品への紐がつながるか 〜原材料、包装資材に問題があったら〜
・データの流出防止 〜パソコンなどの持ち出しを許可しているか〜
・ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜
・食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ
食品安全教育研究所 代表 1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。 |
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