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【食品工場長向けコラム】 災害時の対応について

2024/5/27 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「災害時の対応について」と題して、地震などの災害が発生したときにどのように対応すべきか、普段から非常時の行動について考え、繰り返し訓練を行うことの重要性についてお話します。

2024年、北陸地方は元日から大きな地震に見舞われました。
あなたの工場では、地震などの災害が発生したときどのように対応するか、マニュアルを作成し、責任者が不在でも同じ対応ができるように訓練を行っていますか。

 「なぜ報告しなかったんだ」、「私なら、こうやったのに」と現場で対応された方へ、後から苦言を言わないでいいように、日常的に対応を訓練すべきです。

従業員の確認

第一に確認すべき事は、従業員の安全の確認です。
工場稼働時であれば、工場内にいる全従業員の名簿が停電時でも直ぐに作成でき、名簿に基づいて点呼を行い、安全の確認ができる事です。訓練時は、停電を想定すべきです。

従業員の安全を確認し、次に全従業員に家族の安全を確認、報告させます。
家族の安全確認までの時間を一時間以内に確認できるようになるまで、何度でも訓練が必要です。

従業員の安全の確認の目的は、確認できなかった時の対応までを考える事が必要です。

一人暮らしの従業員の安否確認が取れなかった時にどのように対応するか、停電と同時に携帯電話がつながらない状況になった時にどうすべきか、考えていますか。

地域の確認

従業員、家族の安否確認の次には、地域の状況を確認すべきです。

家の倒壊、停電の状況、道路などの被害の状況を確認し、工場として、できる事は何かを確認します。一般的な食品工場には、食べ物、避難所で使用できる段ボール箱などが在庫されています。地域の役所と日常的にできる事の打ち合わせをお勧めします。

あなたの工場の製品を積んだ配送車が災害に遭ったとき、運転手の方はどのような行動をするべきか、常に訓練が必要です。

事業継続

災害が発生したときに、事業継続を第一に上げる方がいますが、私は、従業員、家族、地域の確認後に事業継続を考えるべきと考えています。

災害が発生し、工場内の地下水を地域の方に提供したこと、製造途中の仕掛かり品を避難所に提供したことは、災害後にも地域の方に強く印象が残るはずです。

工場全体を稼働させる自家発電装置を設置できなくても、最低でも地下水をくみ上げられる発電装置や貯水タンクの水を送ることのできる、発電装置の設置を強くお勧めします。

大きな災害時に、停電し、避難するときには、工場内のブレーカーを落として避難すべきです。だれが何処のブレーカーを落とすか、深夜、休日を含め確認が必要です。

自社の工場の設備の確認後に、原材料の仕入れ先、配送先、配送センターなどの確認が必要です。

あなたの工場の仕入れ先などとは、停電し、携帯電話が通じなくなっても、連絡が取れる体制がとれていますか。

災害時の行動について

災害時の対応についてのチェックポイント

  • 従業員、従業員の家族の安否を一時間以内に確認ができるか
  • 地域の自治体と災害時の対応について打ち合わせているか
  • 携帯電話不通時の通信方法があるか

食品工場長向けコラムの記事一覧

・災害時の対応について

安全管理の考え方

プリメンテナンスの考え方

製造委託先の帳票管理について

入り数不足を無くするために

帳票に頼らない管理

知識の共有化について

包装フイルムのつなぎ方について

食品工場の工場長の仕事とは 〜常に改善を求める姿勢が大切〜

間接部門の合理化について 〜生産管理部門の省人化〜

原材料欠品防止について 〜原料庫の「見える化」〜

原材料管理について 〜適切な在庫の取り方〜

生産設備のデーターのバックアップ 〜停電してもデーターが残るか〜

原料から最終商品への紐がつながるか 〜原材料、包装資材に問題があったら〜

問い合わせ電話の対応 〜専用電話で確認できること〜

防火管理の必要性 〜自動消火装置の設置が必要〜

カミナリ対策に無停電装置が有効

生産帳票の確認について 〜出荷判定を確実に〜

設備のバックアップについて 〜欠品を防ぐために〜

データの流出防止 〜パソコンなどの持ち出しを許可しているか〜

ICカードの利用 〜生産性向上、歩留り向上のために〜

アンテナを高く 〜最新の情報を集め、活用しているか〜

不審者対策ができているか 〜大阪放火事件から学ぶこと〜

ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

帳票の管理について、クレーム発生時にすぐに確認ができるか

現場で手書きの表示は行わない

帳票は毎日印刷すること

トレースバックできる仕組み作り

地域からの苦情の受付について

個人情報の取り扱いについて

危機管理センターの備えておくべき電気設備

危機管理センターの備えておくべき通信設備

危機管理センターという考え方

虫対策の必要性

殺菌の必要な設備の設計

こんな新設備の提案がほしい

ネット上の情報を確認していますか

ミス失敗の図書館が必要

安全衛生点検の必要性 〜転倒事故を防ぐために〜

コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

AI等の設備投資

食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ

天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと

通勤時の荷物について

清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか

従業員満足を考えていますか

地域の方からいい会社と言われるために

生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を

バイトテロを防ぐ従業員教育

残業の管理をどうすべきか

有給取得率を把握していますか

食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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