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【食品工場長向けコラム】 クレームを更に減らすために

2024/9/10 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「クレームを更に減らすために」と題して、更なる品質向上に向けて日々の数値管理や異常値が発生した場合の対応、常に対策を考えることの重要性などについてお話します。

毎日の数値を自動で管理する

工場内で発生するチャタテ虫を減らすために、作業場の湿度管理を行ったとします。

湿度とチャタテ虫の好むカビの発生の相関関係が明確になるまで、湿度計、温度計を確認し、手作業で記録していたとします。明らかに作業場の湿度管理が有用と判断した場合、温度、湿度の自動記録を行えるようにします。

温度、湿度のセンサーは安価な物があるので、パソコンにつなぎ自動で記録を行えるようにします。作業者が確認するのと異なり、24時間1分毎に自動で記録を行えるようにしました。

異常値で発報するか

大切なのは、異常値を明確にすることです。最近の工場では、冷蔵庫、作業場などの温度を自動で記録するシステムが導入されている場合がありますが、単にパソコンに記録されているだけの管理方法が見られます。

冷蔵庫の温度なら、5℃未満、10℃以上の場合は発報するシステムが必要です。

発報は事務所だけでなく、関係者のパソコン、携帯電話などに異常を知らせ、「私が対応します」という、誰かが対応する具体的な知らせが送られるようにするべきです。

対応方法の記録が必要

温度異常の発報後の対応について、記録を残せるようにするべきです。
ここで大切なのは、記録を残すことが目的ではなく、発報しないようにどうしたら改善できるかの対応が大切なのです。

冷蔵庫の温度異常が発生し、確認すると、原料を搬入するためにドアの開放時間が長くなってしまっていたとします。

すぐにできる対応として、ドアの開放に注意すること、ちょっとお金をかけることとして、暖簾を下げること、教育をうけていない従業員でもミスをしない対策として、自動ドアにして開放時はエアーカーテンが動作し、冷蔵庫の温度が下がらない対策を行うなど、常に対策を考えることが必要になります。

冷蔵庫の温度が上がってしまったときに、朝礼で「冷蔵庫のドアはあけたまま作業しないように」と注意するだけに終わっていませんか。

クレームを更に減らすために

更なる品質向上のためのチェックポイント

  • クレームを減らすための数値を毎日記録しているか
  • 自動記録のデータが異常の場合、発報するか
  • 発報した場合の対処が記録されているか

食品工場長向けコラムの記事一覧

・クレームを更に減らすために

クレームの要因分析

災害時の対応について

安全管理の考え方

プリメンテナンスの考え方

製造委託先の帳票管理について

入り数不足を無くするために

帳票に頼らない管理

知識の共有化について

包装フイルムのつなぎ方について

食品工場の工場長の仕事とは 〜常に改善を求める姿勢が大切〜

間接部門の合理化について 〜生産管理部門の省人化〜

原材料欠品防止について 〜原料庫の「見える化」〜

原材料管理について 〜適切な在庫の取り方〜

生産設備のデーターのバックアップ 〜停電してもデーターが残るか〜

原料から最終商品への紐がつながるか 〜原材料、包装資材に問題があったら〜

問い合わせ電話の対応 〜専用電話で確認できること〜

防火管理の必要性 〜自動消火装置の設置が必要〜

カミナリ対策に無停電装置が有効

生産帳票の確認について 〜出荷判定を確実に〜

設備のバックアップについて 〜欠品を防ぐために〜

データの流出防止 〜パソコンなどの持ち出しを許可しているか〜

ICカードの利用 〜生産性向上、歩留り向上のために〜

アンテナを高く 〜最新の情報を集め、活用しているか〜

不審者対策ができているか 〜大阪放火事件から学ぶこと〜

ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

帳票の管理について、クレーム発生時にすぐに確認ができるか

現場で手書きの表示は行わない

帳票は毎日印刷すること

トレースバックできる仕組み作り

地域からの苦情の受付について

個人情報の取り扱いについて

危機管理センターの備えておくべき電気設備

危機管理センターの備えておくべき通信設備

危機管理センターという考え方

虫対策の必要性

殺菌の必要な設備の設計

こんな新設備の提案がほしい

ネット上の情報を確認していますか

ミス失敗の図書館が必要

安全衛生点検の必要性 〜転倒事故を防ぐために〜

コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

AI等の設備投資

食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ

天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと

通勤時の荷物について

清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか

従業員満足を考えていますか

地域の方からいい会社と言われるために

生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を

バイトテロを防ぐ従業員教育

残業の管理をどうすべきか

有給取得率を把握していますか

食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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