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【食品工場長向けコラム】 クレーム要因の区分 〜特性要因図の作成〜

2024/11/1 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「クレーム要因の区分 〜特性要因図の作成〜」と題して、異物混入のクレームを例に過去に発生したクレームから特性要因図を作成することの重要性についてお話します。

クレームの要因を区分する

さまざまなクレームの中で対策を取り続けてもさけられないクレームは、異物混入です。

管理された工場のクレームの発生率は、製品100万パックあたり1件以下の発生と言われています。異物混入の発生率を下げるためには、自社工場で過去に発生したクレームを要因別に区分しまとめることが必要です。

要因別に更に考えてみる

過去に発生したクレームを要因別に分類し、更にその要因の中で、どんなクレームが発生していたかをまとめます。

過去に発生した異物クレームを、原料、環境、設備、作業者等の要因別に分類してみます。

クレーム対策の取り組み方としては、発生が多い順、やりやすい順に対策を進める方法がありますが、今回は、まずすべての異物クレームの要因が見えるように特性要因図の作成を行ってみます。

特性要因図を作成する

クレームの特性要因図

図のような特性要因図を作成してみます。この特性要因図の作成で大切なのは、常に一枚で作成し、全体図が見られるように作成することです。

作成は、一回で済むとは考えずに、何度も作成することが大切です。
今回は、異物混入の要因をまとめてみました。要因として4つ、原料、設備、環境、作業者で考え、各要因に対して、原料であれば、発生したクレームから原料による原因を考え、原料として使用する水、骨、金属などの要因を図に記入します。

この特性要因図で、まず、異物混入を減らすことに寄与する項目は何かを考え、とりあえず対策を取ってみます。今回は、まずゴミのような黒い異物として考えていたので、黒い異物が製品に混入しない対策を考えてみます。

使用水であれば、フイルターを設置する、マグネットを設置するなど、異物が混入しない対策を取ります。対策を取ってから、異物の混入数が減ってこないかを数値で押さえることが大切です。

各項目で対策を取り、クレームの数値で判断することが大切です。
クレームの数値は、社外発生クレームだけでなく、自行程、次工程などの、工場内発生異常の数値で判断することも大切です。

クレーム対策は、モグラたたきのように、思いついたことを実践するのではなく、過去に発生したクレームから要因を考え、寄与する項目で対策を取ることが大切です。

寄与する項目が見つかるまで、考えられる項目で特性要因図を作成し、何度でも対策を行うことが大切です。

クレーム対策に取り組むためのチェックポイント

  • クレームの要因を区分しているか
  • 要因を更に分類しているか
  • クレーム要因の特性要因図を作成しているか

食品工場長向けコラムの記事一覧

・クレーム要因の区分 〜特性要因図の作成〜

クレームを更に減らすために

クレームの要因分析

災害時の対応について

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製造委託先の帳票管理について

入り数不足を無くするために

帳票に頼らない管理

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食品工場の工場長の仕事とは 〜常に改善を求める姿勢が大切〜

間接部門の合理化について 〜生産管理部門の省人化〜

原材料欠品防止について 〜原料庫の「見える化」〜

原材料管理について 〜適切な在庫の取り方〜

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原料から最終商品への紐がつながるか 〜原材料、包装資材に問題があったら〜

問い合わせ電話の対応 〜専用電話で確認できること〜

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カミナリ対策に無停電装置が有効

生産帳票の確認について 〜出荷判定を確実に〜

設備のバックアップについて 〜欠品を防ぐために〜

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ICカードの利用 〜生産性向上、歩留り向上のために〜

アンテナを高く 〜最新の情報を集め、活用しているか〜

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ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

帳票の管理について、クレーム発生時にすぐに確認ができるか

現場で手書きの表示は行わない

帳票は毎日印刷すること

トレースバックできる仕組み作り

地域からの苦情の受付について

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危機管理センターの備えておくべき電気設備

危機管理センターの備えておくべき通信設備

危機管理センターという考え方

虫対策の必要性

殺菌の必要な設備の設計

こんな新設備の提案がほしい

ネット上の情報を確認していますか

ミス失敗の図書館が必要

安全衛生点検の必要性 〜転倒事故を防ぐために〜

コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

AI等の設備投資

食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ

天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと

通勤時の荷物について

清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか

従業員満足を考えていますか

地域の方からいい会社と言われるために

生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を

バイトテロを防ぐ従業員教育

残業の管理をどうすべきか

有給取得率を把握していますか

食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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