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【食品工場長向けコラム】 ICタグの利用について 〜危機管理、生産性管理での利用〜

2025/1/7 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「ICタグの利用について 〜危機管理、生産性管理での利用〜」と題して、災害時の避難管理や日々の生産性管理におけるICタグの活用例と新規導入の際の検討ポイントについてお話します。

災害時の避難管理について

就業時間中に大きな災害が発生した時、作業場から従業員全員が避難場所に避難したかどうか、災害と同時に停電が発生してもすぐに確認できますか。
作業が終了し施錠するときに、作業場に誰もいないことを確認して施錠していますか。

ICタグの価格は、非常に安価になってきました。簡単な方法としては、Suicaのようなカードを利用すればいいのですが、衛生面などを考えると帽子や上腕部にICタグを埋め込んだ名札などを利用すべきです。

ICタグの利用

図の①では、Suicaなどを利用して玄関を解錠し、退社時には内側からの解錠も行うべきです。災害時は、出勤者全員のデータが入っている読み取り装置を集合場所に置き、避難した方はタッチし、全員が避難したかどうか確認できるようにします。

日常的には、全員が退社したことを確認し施錠できる仕組みが必要ですが、安全管理のためだけの投資を提案しても、なかなか導入できないのが現実だと思います。

着替え時間は、労働時間

タイムカードの打刻は、図の②に置いたICタグ名札で打刻します。
このタイムカード打刻場所に、工場内専用のICタグ名札を設置することで、出退勤管理の「見える化」も可能となります。大切な点は、作業着に着替える前に打刻することです。

非常時は、ICタグ置き場の棚を集合場所に移動すれば、システムがなくても安否確認ができます。

作業効率化の基本データ

ICタグなどの新しい設備を導入するためには、導入する投資金額以上の効果が必要です。確かに、災害時の安否確認は工場管理の土台として必要ですが、それだけではなかなか投資できないものです。

図の③の作業場で、各作業場にICタグの読み取り装置を設置し、作業前と終了時にスキャンするようにします。例えば、包装ラインに入った時にスキャンし、終了時にスキャンすれば、何時間包装作業を行ったか簡単に算出することができます。
作業ごとにスキャンを繰り返せば、作業ごとの生産性を確認することができます。

毎日の作業性を確認し、作業性のバラツキを小さくすること、作業性が良好なときの作業状態にすることで、作業効率化のヒントを得ることができます。

また、②のタイムカードをスキャンした時点で、作業者ごとに「今日の作業一覧」を印刷して渡すことで、従業員は一日の自分の作業を確認することができます。

③のICタグ利用で作業効率化を図り、投資できるように提案書を作成すべきです。

新規設備を導入するためには、投資に見合う効果を事前に提案することが大切です。

危機管理・生産性管理でICタグを活用するためのチェックポイント

  • 災害時の避難確認ができるか
  • 残業の管理ができているか
  • 作業性、人時生産性の管理ができているか

食品工場長向けコラムの記事一覧

・ICタグの利用について 〜危機管理、生産性管理での利用〜

更にクレームを減らすために 〜従業員教育のいらない管理〜

クレーム要因の区分 〜特性要因図の作成〜

クレームを更に減らすために

クレームの要因分析

災害時の対応について

安全管理の考え方

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製造委託先の帳票管理について

入り数不足を無くするために

帳票に頼らない管理

知識の共有化について

包装フイルムのつなぎ方について

食品工場の工場長の仕事とは 〜常に改善を求める姿勢が大切〜

間接部門の合理化について 〜生産管理部門の省人化〜

原材料欠品防止について 〜原料庫の「見える化」〜

原材料管理について 〜適切な在庫の取り方〜

生産設備のデーターのバックアップ 〜停電してもデーターが残るか〜

原料から最終商品への紐がつながるか 〜原材料、包装資材に問題があったら〜

問い合わせ電話の対応 〜専用電話で確認できること〜

防火管理の必要性 〜自動消火装置の設置が必要〜

カミナリ対策に無停電装置が有効

生産帳票の確認について 〜出荷判定を確実に〜

設備のバックアップについて 〜欠品を防ぐために〜

データの流出防止 〜パソコンなどの持ち出しを許可しているか〜

ICカードの利用 〜生産性向上、歩留り向上のために〜

アンテナを高く 〜最新の情報を集め、活用しているか〜

不審者対策ができているか 〜大阪放火事件から学ぶこと〜

ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

帳票の管理について、クレーム発生時にすぐに確認ができるか

現場で手書きの表示は行わない

帳票は毎日印刷すること

トレースバックできる仕組み作り

地域からの苦情の受付について

個人情報の取り扱いについて

危機管理センターの備えておくべき電気設備

危機管理センターの備えておくべき通信設備

危機管理センターという考え方

虫対策の必要性

殺菌の必要な設備の設計

こんな新設備の提案がほしい

ネット上の情報を確認していますか

ミス失敗の図書館が必要

安全衛生点検の必要性 〜転倒事故を防ぐために〜

コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

AI等の設備投資

食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ

天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと

通勤時の荷物について

清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか

従業員満足を考えていますか

地域の方からいい会社と言われるために

生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を

バイトテロを防ぐ従業員教育

残業の管理をどうすべきか

有給取得率を把握していますか

食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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