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【食品工場長向けコラム】 工場改善の目標値はなにか 〜帳票を記帳する目的は〜

2025/2/3 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「工場改善の目標値はなにか 〜帳票を記帳する目的は〜」と題して、日々の記帳や帳票作成の目的の再確認、改善活動のために行うことなどについてお話します。

新しい年、2025年になり、みなさんの工場では新たに製造現場の目標を定めていると思います。
目標値には、労災を無くす、クレーム削減、生産性の向上、一人一時間あたりの売上の向上など、安全、品質、生産性に関する目標値があります。
目標値をクリアするためには、毎日の現場の管理が必要になります。

記帳の目的は

製造現場には多くの帳票があります。帳票の目的は、原料のトレースバック、安全性の確認、そして生産性の向上などがあげられます。

例えば、目標値とする生産性向上のための数字は、現状の帳票にすべて記帳されているはずです。

生産性向上の取り組みを行う時に、必要なデータを作業者に記入させている現場を目にしますが、現場の方に記帳させる行為が生産性を下げていることに気がつかなければならないのです。

現場の改善方法を考えるために、帳票を考え、印刷し、記帳し、回収し、確認し、保管する。この一連の作業を無くすことで、工場全体の生産性が上がることを忘れてはならないのです。最終的には、製造現場の作業者による記帳行為は無くすべきです。

毎日の帳票の確認が必要

現場の帳票を回収し、改善すべき目的の数値を自分の手帳などにメモしていますか。

パソコンに記録している方を見ますが、最終的な報告書なども含めて、私は手書きで数値を記録することをお勧めします。

現場の帳票から改善の目的としている数値を毎日メモし、数値を気にするだけで、ほとんどの改善活動は前に進むはずです。

改善活動は、毎日の指導が必要

帳票の数字を確認し、メモを付け、グラフ化し、バラツキを確認し、バラついている数値が良いときに、なぜ良かったかを 4M「Man(人)・Machine(機械)・Material(材料)・Method(方法)」で要因を考え、安定的に良い数字が出るように現場を指導できれば改善活動が進むのです。

毎日のデータ

図の「毎日のデータ」の場合、定期的に数値が低い日があります。曜日をデータに追加すれば、数値が低い日はある特定の曜日になっていることに気がつくはずです。

数字を毎日プロットすることによって、数値がバラついている要因を見つけ出し、数値が高いところで安定するように現場を指導することが、本来の管理者の仕事になります。

最終的には、ラベル発行機からのデータを自働で集計し、毎日グラフ化した状態で確認できるような仕組みを作り上げることになります。

製造現場の改善に取り組むためのチェックポイント

  • 記帳の目的は明確になっているか
  • 帳票のデータを確認しているか
  • 改善活動の数値の指導をしているか

食品工場長向けコラムの記事一覧

・工場改善の目標値はなにか 〜帳票を記帳する目的は〜

ICタグの利用について 〜危機管理、生産性管理での利用〜

更にクレームを減らすために 〜従業員教育のいらない管理〜

クレーム要因の区分 〜特性要因図の作成〜

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クレームの要因分析

災害時の対応について

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製造委託先の帳票管理について

入り数不足を無くするために

帳票に頼らない管理

知識の共有化について

包装フイルムのつなぎ方について

食品工場の工場長の仕事とは 〜常に改善を求める姿勢が大切〜

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原材料欠品防止について 〜原料庫の「見える化」〜

原材料管理について 〜適切な在庫の取り方〜

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原料から最終商品への紐がつながるか 〜原材料、包装資材に問題があったら〜

問い合わせ電話の対応 〜専用電話で確認できること〜

防火管理の必要性 〜自動消火装置の設置が必要〜

カミナリ対策に無停電装置が有効

生産帳票の確認について 〜出荷判定を確実に〜

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ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

帳票の管理について、クレーム発生時にすぐに確認ができるか

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帳票は毎日印刷すること

トレースバックできる仕組み作り

地域からの苦情の受付について

個人情報の取り扱いについて

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危機管理センターの備えておくべき通信設備

危機管理センターという考え方

虫対策の必要性

殺菌の必要な設備の設計

こんな新設備の提案がほしい

ネット上の情報を確認していますか

ミス失敗の図書館が必要

安全衛生点検の必要性 〜転倒事故を防ぐために〜

コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

AI等の設備投資

食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ

天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと

通勤時の荷物について

清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか

従業員満足を考えていますか

地域の方からいい会社と言われるために

生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を

バイトテロを防ぐ従業員教育

残業の管理をどうすべきか

有給取得率を把握していますか

食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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