商品の市場クレームなどが発生したときに、製造時の帳票の確認が必要になります。
売り場などで、異物を混入された商品が発生したときに、工場を出荷した時点では問題が無かったことを、製造記録上明確にすることが必要になります。
一般的に製造記録は、紙の帳票のまま段ボールで保管するか、PDF等の電子データとして保管されています。
たとえば、ある特定のロットナンバーの最終製品でトラブルが発生したとして、製品に関する帳票をすべて揃えるのに、何分で揃えることができますか。
段ボールで保管されている状態では、5分以内に確認することはできません。
帳票をスキャンし、電子化されていても、5分以内で確認することは難しいと思います。
理想的には、ロットナンバーを入力すると、自動的にすべての製造記録が閲覧できるシステムが必要です。
データの保存期間は、商品の賞味期限までではなく、原料として使用され、その使用された商品の賞味期限+αの期間保存しておくことが必要です。
敷地内、作業場内の監視カメラの記録は、帳票の保存期間と同じだけ保存しておくことが必要です。監視カメラのデータは、一般的に、2週間位でデータを上書きしている場合があります。
しかしこれでは、最終商品で異物混入や農薬混入などの考えられないクレームが発生したときに、監視カメラのデータがないことになってしまいます。
エックス線探知機などの異物検出器のデータは、1パック毎に検出したかどうかの記録を検出器本体に保存しています。
この自動記録されたデータがロットナンバーの印字機と整合し、ロットナンバーを断定できることが必要です。更に、包装作業を記録している監視カメラとの連動も必要です。
たとえば、3月10日11時15分15秒に、ロットナンバーを印字した対象品が、確実に異物検出器を通過したことを監視カメラで確認し、記録を確認することができますか。
データを保管するだけではなく、すべてのデータの時間が秒単位まで整合していることが大切なのです。
あなたの工場の監視カメラの時間と印字機の時間は整合し、常に校正されていますか。
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食品安全教育研究所 代表 1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。 |
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