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【食品工場長向けコラム】 将来の計画を立てているか 〜責任者は常に将来を考えること〜

2025/9/26 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「将来の計画を立てているか 〜責任者は常に将来を考えること〜」と題して、工場や生産現場の責任者が将来の計画や数年先の数値目標を常に考えておくことの重要性についてお話します。

私は工場管理の指導などで工場を訪問する際、責任者に「この工場はあと何年使用する予定ですか」と尋ねるようにしています。

「10年以上使用する予定です」「数年後に建て替えの予定です」といった返答によって、設備改善の考え方が大きく変わってくるからです。

10年後の数値目標があるか

「あなたは10年後、何歳になりますか?」
私はよくこのように年齢を尋ねます。年齢の質問には、多くの人がすぐに答えられます。

しかし、「10年後の売上はいくらを予定していますか?」「10年後の一人あたりの時間単価の売上はいくらですか?」といった質問には、明確な数字で答えられる責任者は多くありません。

ましてや、「10年後のパート従業員の時給をいくらで想定していますか?」と答えられる方は非常に少ないのが現状です。

5年前の実績を明確にし、今年の毎日の数値、来年の目標、3年後・10年後の目標値をすぐに答えられるよう、数値目標を設定することが重要です。

私は、高卒・大卒などの新卒社員を採用している企業は、30年後の数値目標も常に作成すべきだと考えています。

売上以外の数値目標を明確にしているか

売上目標を設定している事業所でも、「一人一時間あたりの売上」や「従業員の時給の想定」まで考えているところは少ないものです。

「失われた30年」という表現がありますが、皆さんの工場でも、今後30年の目標値を明確に数値で考えることで、何をすべきかが見えてくるはずです。

建物を含めた設備投資を考えているか

名刺を例に考えてみてください。
私は2025年現在、初めてお会いする方とも名刺交換の頻度が減ってきました。
事前にメールで住所や名前などの必要な情報を登録できるようになったからです。

名刺を印刷し、交換し、保管するという行為が不要になってきているのです。
飛行機のチケットも、紙を印刷することなく、予約から搭乗まで完結できます。

10年後、あなたの工場の製造工程はどのように変化し、それに伴ってどのような設備投資が必要になると考えていますか?

従業員の時給を上げるためには、設備投資を行い、一人一時間あたりの売上を向上させる必要があります。

あなたは、原稿を見ずに「30年後の工場」についてプレゼンテーションができますか?

将来の計画を立てているか

今何をすべきかを明確にするためのチェックポイント

  • 将来計画を立てているか
  • 将来計画において数値目標を明確にしているか
  • 将来のための設備投資を明確にしているか

食品工場長向けコラムの記事一覧

・将来の計画を立てているか 〜責任者は常に将来を考えること〜

朝一番確認する数値について 〜自動で集計されること〜

工場改善の目標値を達成するために 〜毎日の記録が大切〜

トラブル時の帳票類の確認について

異物クレームを減らすために

工場改善の目標値はなにか 〜帳票を記帳する目的は〜

ICタグの利用について 〜危機管理、生産性管理での利用〜

更にクレームを減らすために 〜従業員教育のいらない管理〜

クレーム要因の区分 〜特性要因図の作成〜

クレームを更に減らすために

クレームの要因分析

災害時の対応について

安全管理の考え方

プリメンテナンスの考え方

製造委託先の帳票管理について

入り数不足を無くするために

帳票に頼らない管理

知識の共有化について

包装フイルムのつなぎ方について

食品工場の工場長の仕事とは 〜常に改善を求める姿勢が大切〜

間接部門の合理化について 〜生産管理部門の省人化〜

原材料欠品防止について 〜原料庫の「見える化」〜

原材料管理について 〜適切な在庫の取り方〜

生産設備のデーターのバックアップ 〜停電してもデーターが残るか〜

原料から最終商品への紐がつながるか 〜原材料、包装資材に問題があったら〜

問い合わせ電話の対応 〜専用電話で確認できること〜

防火管理の必要性 〜自動消火装置の設置が必要〜

カミナリ対策に無停電装置が有効

生産帳票の確認について 〜出荷判定を確実に〜

設備のバックアップについて 〜欠品を防ぐために〜

データの流出防止 〜パソコンなどの持ち出しを許可しているか〜

ICカードの利用 〜生産性向上、歩留り向上のために〜

アンテナを高く 〜最新の情報を集め、活用しているか〜

不審者対策ができているか 〜大阪放火事件から学ぶこと〜

ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

帳票の管理について、クレーム発生時にすぐに確認ができるか

現場で手書きの表示は行わない

帳票は毎日印刷すること

トレースバックできる仕組み作り

地域からの苦情の受付について

個人情報の取り扱いについて

危機管理センターの備えておくべき電気設備

危機管理センターの備えておくべき通信設備

危機管理センターという考え方

虫対策の必要性

殺菌の必要な設備の設計

こんな新設備の提案がほしい

ネット上の情報を確認していますか

ミス失敗の図書館が必要

安全衛生点検の必要性 〜転倒事故を防ぐために〜

コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

AI等の設備投資

食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ

天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと

通勤時の荷物について

清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか

従業員満足を考えていますか

地域の方からいい会社と言われるために

生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を

バイトテロを防ぐ従業員教育

残業の管理をどうすべきか

有給取得率を把握していますか

食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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