食品工場で働くあなたの価値は何かを「数値」で説明できますか。昨年の「数値」はいくつで、あなたの行動で「数値」をいくつに改善したかを説明できますか。
数字をグラフなどにまとめて上司に報告するだけでは、AIに仕事を取られてしまいます。
品質管理の責任者に「あなたの数値はなんですか」と尋ねると、「クレーム件数を昨年よりも下げること」と答える方がいます。売上が下がり、結果としてクレーム件数が下がっても、品質管理の責任者の価値が上がっているとは誰も思わないはずです。
品質管理の方の価値は何か。毎日どの数値を確認し改善すれば、効果としてどの数値が変化するか。改善活動として何を提案すべきか。自責として考え続ける必要があります。
品質管理の責任者の数値は、クレーム1件あたりの売上が上がる事とします。品質が良くなれば売上が必ず上がるはずです。売上が下がった時に、市場の変化や営業の活動不足などの他人の責任にすることなく、自責の数値と思い、改善活動を更に進める事が大切なのです。
更に前向きに考え、クレームや苦情から、お客様が気がついていない、商品の品質に関する暗黙知を顕在化する事を提案すれば、商品の品質は更に良くなるはずです。
テニスがすぐに上達することはありません。毎日素振りをする、毎日基礎体力を付けるなど、地道な努力が必要です。一度引退した選手が試合に出るためには、毎日毎日4時間以上の練習を行い、体力を付けたそうです。
改善活動を行い、現場や製造責任者に何を改善すればいいかの改善提案力こそが、AIに勝てる点だと私は思っています。
私は、毎日改善すべき数字を確認し、手書きでノートに付け、気がついた事を書き留めるように指導しています。大切な事は、数値の自動記録はAIでできても、数値を読み取り、改善すべきことを提案し実践することは、現状のAIではできません。
毎日、数字を見て悩み続け、改善すべきことを考え抜くことが、あなた自身の価値を上げる事になるはずです。数字を見て悩み続けることで、必ず改善すべきことが思いつくはずです。
改善提案の数と効果があなたの価値になるのです。
・あなたの価値はなにか 〜AI(人工知能)に勝てること〜
・食品工場の工場長の仕事とは 〜常に改善を求める姿勢が大切〜
・生産設備のデーターのバックアップ 〜停電してもデーターが残るか〜
・原料から最終商品への紐がつながるか 〜原材料、包装資材に問題があったら〜
・データの流出防止 〜パソコンなどの持ち出しを許可しているか〜
・ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜
・食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ
食品安全教育研究所 代表 1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。 |
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