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【食品工場長向けコラム】 食品工場長が果たすべき「データ管理」の責任
― 内部不正を防ぐために現場で見るべきポイント ―

2026/2/12 [食品,コラム]

今回の食品工場長向けコラムは「食品工場長が果たすべき『データ管理』の責任」と題して、重要情報の漏えいを防ぐためのルールづくりの重要性についてお話しします。

食品工場における情報漏えい対策は、IT部門や本社任せでは不十分です。実際に従業員と現場を動かしている工場長の判断と姿勢が、データを守れるかどうかを大きく左右します。
レシピ、原料配合、製造条件、取引先情報、従業員名簿、クレーム・事故記録などは、外部に流出すれば工場の信用を一瞬で失わせる重要情報です。

内部からの情報漏えいの多くは、悪意よりも「油断」「慣れ」「善意の判断」から起きます。工場長が「急ぎだから仕方ない」「現場が回らないから」と例外を認めてしまうと、それは現場全体へのメッセージとなり、ルールは形骸化します。工場長は、例外を作らない存在でなければなりません。
私の経験でも、「私物のスマホを事務所のパソコンに接続して充電している」、「家で資料を作るからUSBメモリでデータを持ち出す」、「自宅で仕事したいので、添付メールでデータを送付する」などの例を多く見てきています。

また、データ管理は「監視」ではなく「事故防止」です。従業員を疑う姿勢ではなく、「仕組みで守る」ことが重要です。悪さを行おうとしている方でも、仕組みで出来ないようにすべきです。そのためには、ルールを作り、その上で日常の確認と点検が欠かせません。

工場長は、下記の項目を確認すべきです。

1.工場内の重要データの種類を把握しているか
2.業務に不要なアクセス権が残っていないか
3.異動・退職者のアカウント停止が即日行われているか
4.USBメモリや私物機器の接続を禁止しているか
5.データ持ち出し、メールでの送付を禁止しているか
6.アクセスログ・操作履歴を定期的に確認しているか
7.管理職自身がルールを守る行動を取っているか
8.不満や異変を感じる従業員に目を向けているか
9.情報管理教育を定期的に実施しているか
10.事故発生時の報告・対応手順を理解しているか

工場長は、製造量や品質だけでなく、「情報」という見えない資産を守る責任者です。データ事故は一度起きれば取り戻せません。だからこそ、事故が起きない状態を作ることが工場長の仕事です。

ルールを作り、守らせ、そして自ら守る。その積み重ねが、工場の信用を守り、従業員とその家族の生活を守ることにつながります。工場長の意識と行動が、工場の未来を決めることを忘れてはいけません。

データ管理の基本

事故防止のためのデータ管理のチェックポイント

  • 重要なデータを把握しているか
  • 私物のUSBメモリ、電子機器の使用を禁止しているか
  • アクセスログなどを定期的に確認しているか

食品工場長向けコラムの記事一覧

・食品工場長が果たすべき「データ管理」の責任 ― 内部不正を防ぐために現場で見るべきポイント ―

どこまでバックアップを考えるか

システム障害から学ぶこと

食品工場で働く方の新人教育について

新工場を設計するときに注意すること 〜設計段階で将来を見据えること〜

将来の計画を立てているか 〜責任者は常に将来を考えること〜

朝一番確認する数値について 〜自動で集計されること〜

工場改善の目標値を達成するために 〜毎日の記録が大切〜

トラブル時の帳票類の確認について

異物クレームを減らすために

工場改善の目標値はなにか 〜帳票を記帳する目的は〜

ICタグの利用について 〜危機管理、生産性管理での利用〜

更にクレームを減らすために 〜従業員教育のいらない管理〜

クレーム要因の区分 〜特性要因図の作成〜

クレームを更に減らすために

クレームの要因分析

災害時の対応について

安全管理の考え方

プリメンテナンスの考え方

製造委託先の帳票管理について

入り数不足を無くするために

帳票に頼らない管理

知識の共有化について

包装フイルムのつなぎ方について

食品工場の工場長の仕事とは 〜常に改善を求める姿勢が大切〜

間接部門の合理化について 〜生産管理部門の省人化〜

原材料欠品防止について 〜原料庫の「見える化」〜

原材料管理について 〜適切な在庫の取り方〜

生産設備のデーターのバックアップ 〜停電してもデーターが残るか〜

原料から最終商品への紐がつながるか 〜原材料、包装資材に問題があったら〜

問い合わせ電話の対応 〜専用電話で確認できること〜

防火管理の必要性 〜自動消火装置の設置が必要〜

カミナリ対策に無停電装置が有効

生産帳票の確認について 〜出荷判定を確実に〜

設備のバックアップについて 〜欠品を防ぐために〜

データの流出防止 〜パソコンなどの持ち出しを許可しているか〜

ICカードの利用 〜生産性向上、歩留り向上のために〜

アンテナを高く 〜最新の情報を集め、活用しているか〜

不審者対策ができているか 〜大阪放火事件から学ぶこと〜

ICチップカードの利用について 〜入場していい作業場かどうか〜

帳票の管理について、クレーム発生時にすぐに確認ができるか

現場で手書きの表示は行わない

帳票は毎日印刷すること

トレースバックできる仕組み作り

地域からの苦情の受付について

個人情報の取り扱いについて

危機管理センターの備えておくべき電気設備

危機管理センターの備えておくべき通信設備

危機管理センターという考え方

虫対策の必要性

殺菌の必要な設備の設計

こんな新設備の提案がほしい

ネット上の情報を確認していますか

ミス失敗の図書館が必要

安全衛生点検の必要性 〜転倒事故を防ぐために〜

コールセンターの必要性 〜違反の笛を吹くために〜

AI等の設備投資

食堂もキャッシュレスに。食品工場内のICカードの利用のすすめ

天災時には従業員との連絡を最優先で行うこと

通勤時の荷物について

清掃が工場管理の基本の基本 工場長の机は磨き込んでいますか

従業員満足を考えていますか

地域の方からいい会社と言われるために

生産性を上げるために、自分の設備と思える設備管理を

バイトテロを防ぐ従業員教育

残業の管理をどうすべきか

有給取得率を把握していますか

食品安全教育研究所 代表
河岸 宏和 氏

1958年1月北海道生まれ。帯広畜産大学を卒業後、農場から食卓までの品質管理を実践中。これまでに経験した品質管理業務は、養鶏場、食肉処理場、ハムソーセージ工場、餃子・シュウマイ工場、コンビニエンスストア向け総菜工場、玉子加工品工場、配送流通センター、スーパーマーケット厨房衛生管理など多数。毎年100箇所以上の食品工場点検、教育を行っている。
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